第1章 理想のペアとハムちゃんズ
「1つはなぜ、オレはあなたと話せるのか? もう1つはさっき、あなたが倒れていた場所まで戻りたいのですが、どっちへ行ったらいいですか?」
「あんたがオレと話せるのは、あんたが優しい心を持っているからさ。もう1つの質問の答えだが、ああ、さっきの自動販売機の場所か。それには、あんたは木手くん、もう1人は丸井くんと言ったかな。あんたが丸井くんと心を通わせられるようにならないと教えるわけにはいかないな」
「あなた、タイショーくんと言いましたね。オレはあなたに齋藤コーチから指示されたことを伝えましたっけ?」
「いんや、この子から聞いて、さっきの場所でひと芝居を打ったのさ」
ここで、待っていましたともう1匹のハムスターがやってきます。何と、鬼十次朗のペットのかえででした。
「そのハムスター、鬼先輩の……」
木手は驚いていました。
「かえでって言っていたかな。この子からあんたたちの『みっしょん』っていうのを聞いた」
「こんにちは」
「こんにちは。って、かえでの言葉までわかりますね、オレ」
「君たち、全然、ワタシに気が付いていなかったけど、ワタシは君たちが齋藤コーチに指示されていたことを、ミッションルームで聞いていました。ご主人様の練習で外出中、齋藤コーチに今回、ワタシは預けられていましたから」