第4章 秘書としての役目?
ーデミウルゴスsideー
レミエル様はお優しすぎる。確かにモモンガ様は至高の御方の頂点、けれど貴方もずっとその横に立たねばならない大切な御方。
護衛が私しかいなかったことをこれほど悔やんだことはない。だが……先程のレミエル様の瞳はとても強く補佐の信念がそこにはあった。
マーレのもとにつき、モモンガ様はすぐに戻るよう私にご命令され、すぐに空へと飛び立った。
そしてそこにいたのは、月明かりと星星の輝きに照らされた、美しい大天使のお姿をしたレミエル様が歌い、楽しそうに回っていた。
私にお気づきになったレミエル様はまた優しく微笑んでくるくる回るのをやめ、私の前に来て歌を聴かせてくださった。
「スキル解除…お待たせデミウルゴス」
「とても素晴らしい歌でした」
「ありがとう、ナザリックに防御膜を貼ってたの」
「スキルをお使いになったのですか!?歌唱スキルは体に負荷がかかる筈です!何故お一人でそのような!」
「こんな事態だからよ」
「!!!!!!!!」
強く言い放つそのお姿は何故か母のような慈愛に満ちていた。
「今ナザリックには異常事態が起きている。もし今何もわからない状態で敵が押し寄せて来た場合、いくら貴方たちが強くても、返り討ちにできるとしても、傷つく姿は絶対に見たくないわ。もちろんデミウルゴス、貴方もよ」
「っ!!勿体なきお言葉…!」
なんということだ…!かの御方はナザリックの全てを守ると言うのですか…!!!大地よりも広いそのお心はまさにナザリックの母!慈愛に満ちた私たちの至高の御方…!
「それにナザリックには戦闘系でない子もたくさんいるわ、その子達を守れるのも私の役目でしょう」
「仰る通りです。ですが御身に負荷がかかるのであまり無理はなさいませんよう」
「過保護ね。クスクス、わかったわ。それじゃマーレのところへ行きましょうか…っと」
「レミエル様!」
翼の力が抜け、今にも落ちてしまいそうなレミエル様の腰を無礼を承知で抱き締めた
「ありがとうデミウルゴス、助かったわ。申し訳ないけどこのままマーレのところへ運んでもらえる?」
「かしこまりました」
この美しく、聡明で、誰よりもお優しいこの御方に仕える喜びと……そして、一人の男として欲望を、私は感じとってしまった。
ーデミウルゴスside終ー