第25章 作戦ーゲヘナー
アイテムを受け取って跪き礼を述べる彼にアインズは忠義への礼だと思えというとデミウルゴスは熱弁し始めてしまった。
「私たち守護者は御方々に作られた存在。ならば消滅するその時まで忠義を尽くすのは当然!にも拘らず繰り返しお慈悲あるお言葉を掛けて下さり、尚且つこれほどの褒美を戴けるとは!!このデミウルゴス!より一層の忠誠を捧げさせていただきます!」
「あ、うん」
「そこはちゃんと覇者らしくなさいな」
まだ動揺するとこは変わんないなぁ・・・
「ゴホン、期待しているぞ。それでデミウルゴス。言うべきことは他にあるだろう」
「はい、ですからヤルダバオトはこれを狙って八本指の拠点を襲い、王都の倉庫区画を占拠したという事になります。そしてもちろんこのアイテムは八本指の倉庫から発見される予定となっております」
「それで、三つ目の利点は?」
「はい、炎の壁の人間たちを捕まえました。既に大半はナザリックに連れ去り様々な用途に使えればと考えております」
「それは老若男女関係なくか?」
「はい」
多分、彼も私と同じでまだ少し人間の時の感情が残っているから苦しめることを躊躇っているように見えた。そしてアインズはナザリックと私、アインズに無礼を働いてないものには苦痛なき死を与えよとデミウルゴスに命じた。
「では四つ目の利点は」
「ヤルダバオトに受けてもらうこと、よね?」
「はい」
「なるほど、納得した。私に協力してほしいことはあるか?」
「あとは私を撃退していただくだけで問題はありません。アインズ様の引き立て役になれるよう精一杯務めさせていただきます」
「ねぇ一ついいかしら?魔王ヤルダバオトを従える王として君臨しちゃダメかしら?」
「「なっ!?」」
「だって退屈なんだもの」
「私は構わないが…」
「なりません!」
まぁそういうと思っていたよ。でもナザリックに帰っても暇なんでしょ、だったらちょっとくらい遊んでもいいじゃない!
「あの女には見られてるんだしいいじゃない」
「・・・わかりました。では私が撤退を提案したときに私供の前に君臨して下さいますでしょうか」
「ありがとう」
そして話が終わった合図としてマーレが地震を起こしてモモンがヤルダバオトを吹き飛ばした。