第24章 奪還作戦
面白い人間はどこにでもいるのね。この王女がその人物だ。
「よく人間の私とこの私が同一人物だと?」
「簡単な事ですわ。噂は天使のような美人と、そしてお兄様とクライムがその特徴を教えてくださいました。その特徴が今目の前にいるのは貴女と一致するだけのお話ですわ」
「ふふふ、面白い人間ね。でも私の配下が興味を持ったんだもの、それだけじゃないのでしょう?…ねぇ?忠実なクライムの飼い主さん?」
ぴくっと反応を示し、彼女は可憐な微笑みから狂気じみた笑みを浮かべていた。
「先程私たちの作戦会議の時、クライムを殺してはならないとは私の配下は言ったわ。彼は王女の所有物。それを知らないのは私たち悪魔だけ。それを伝えるという事は裏を返せばクライム以外は殺しても構わないともそう取れるわ」
「うふふふふ、流石です!そうです、クライムさえ生きていてくれたら何もいらない!それに貴方方が王国で大虐殺を起こしてくださればクライムの行動は必ず名声を上げてくれるわ!そうすればクライムは私に子犬のように嬉しそうに報告に来るの!
人間にやられたとしてもラキュースが復活の魔法で復活させて一人ではままならない生活を私が看病してあげるの!
こんな所でもクライムがいてくれるから私は毎日鳥籠の中でも楽しいの」
「…貴方は此方側の思考をしているのね。ふふ、面白いわ。ヤルダバオト、王はこの事を知っているの?」
「概ね御存知かと」
「そう。なら成功したら褒美はあげないとね。」
確か堕落の種子があったはず、それでインプにしてしまえばアルベド、デミウルゴスに並ぶ知将となる。アインズにあとで聞いてみようかしらね
「レミエル様!」
「いいじゃない、私はこの子が欲しいわ」
「クライムが一緒なら堕天使様のものになってもいいですわ」
「じゃあ決まりね」
彼女と楽しくそんな話をしていると、デミウルゴスからエントマが何者かに襲撃されていると聞かされた。
「じゃあ話はここまでね。また会えたら今度はお茶でもしましょう」
「はい、お待ちしております」
「行くわよ」
「はっ」
翼を広げて急いでエントマのところに急いだ。
「レミエル様、私が人間の相手を致しますのでエントマをお願い致します」
「わかったわ」
地上に降り立つとボロボロになったエントマが苦しそうに横たわっていた。