第24章 奪還作戦
部屋に二人きりになってからも私の威圧的なオーラは収まっていないようでデミウルゴスが目の前に跪き、手の甲にキスをした。
「私の愛しい主」
「…私の扱い慣れてんじゃないわ、全く」
私の言葉に彼はただ微笑むだけ。きっと私の顔が少し赤くなっているからご機嫌なのだろう。
「それで?私は貴方と行動する真意は?」
「恐れ入れいりました。まさかそこまでご存じだったとは!」
「知ってたんじゃない、私はシャルティアと一緒に待機をさせると思っていたわ。貴方は私が前線に行くことを嫌がるから。なのどうして私を連れていくのか、それは私がいなければならない何かがあるから。違う?」
「御見逸れ致しました。その通りです。状況提供者に貴方様を会わせる約束をしました」
「ふぅん、私の許可もなしに、ねぇ」
「それに関しては謝罪致します。ですが人間ながらに面白い者だったので貴女もお気に召すかと判断致しました」
「そう。なら行きましょうか」
翼を広げてバルコニーからデミウルゴスと共にその者の元へ。
向かう先にあるのはリエスティーゼ王国の城だけ。まさか城の者が悪魔に協力しているというの!?、驚いているとデミウルゴスに話しかけられた。
「レミエル様。私はこれからヤルダバオトと名乗ります。レミエル様の前で顔を仮面で隠すことをお許しください」
「わかったわ、人間に顔をばれるのはまずいからね、構わないわ」
そうして私たちはある一室の城のバルコニーに羽を下した。
窓をノックすると中から何者かが鍵を開け、デミウルゴス、もといヤルダバオトが窓を開けて先に中に入り、私を中へと招いた。
「ご要望通りお連れしたよ」
「ありがとうございます」
可憐な女性の声と共に陰から光の元へ姿を現したのは意外過ぎる人物だった。
「初めまして堕天使様。リエスティーゼ王国第三王女、ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフと申します」
「驚いたわ…まさか王女様が協力者とはね…。レミエルよ、それで私に会った感想は?」
「感激です!まさか本当にお会いできるとは!人間のお姿、お名前はレミィ・ローズガーデンとしてこの街で御噂は耳にしておりましたが本当にお美しいお人なのですね!」
!?、人間の姿での行動を知っている!?デミウルゴスでさえ知らない情報を何故!?