第24章 奪還作戦
デミウルゴスとの一夜を過ごし、目覚めると彼の姿はなく、代わりにベッドサイドに手紙が置いてあった。
内容は『仕事に戻ります。ナザリックに帰還する時を心よりお待ちしております』と丁寧な字で書かれていた。
彼らしい…。ソリュシャンが部屋に来る前にラフな服に着替えなきゃ。
ちょうど部屋着のロングワンピースを身に付け終わったとこにノック音が部屋に響き、入るよう促した。
「おはようございますレミエル様」
「おはようソリュシャン、今日の挨拶回りではよろしくね」
「もちろんです。お支度お手伝い致します」
「ありがとう、ドレスはこれにしようと思うのだけどどうかしら?」
手に取っていた空色の美しいレースドレスにソリュシャンは両手を合わせて美しく微笑んで絶賛した。
「いいですね!レミエル様のお髪にとてもお似合いのお色ですわ!」
そしてソリュシャンにまたコルセットを締め上げてドレスを着付けながら昨日の出来事を聞き、下におり食事を摂って、馬車へ。
「ではツアレ、私たちは周辺の挨拶回りに行ってきます」
「留守番をお願いね。絶対に誰か来ても扉を開けてはダメよ」
「は、はい」
ジャックに御者をさせて、私たちは挨拶回りへと向かい、私の知り合いが多かったが為夕方まで時間がかかってしまった。
「くたびれたぁ…」
「お疲れ様でしたレミエル様」
「ありがとうソリュシャン」
「ただいま帰りました。…ツアレ?」
「ツアレ?どこにいるの?」
屋敷に帰ると人の、いえ、ツアレの気配がなく屋敷中探しまわったどこにも姿はなく、一旦広間に集まってた。
「鍵穴に何者かが細工をした痕跡がありました」
「連れ去られたのね…、そう、ナザリックの所有物を勝手に持って行ったのね、フフフ」
堕天使に戻ると何故か皆が私の前に跪いた。
「メッセージ、アインズ」
「「「!!!!!」」」
[レミエル、落ち着いたか?]
「ええ。今はその話は後回し。ツアレ、あの人間が攫われたわ」
[なんだと?]
「久々に暴れたいのだけどいいかしら?ナザリックの、私たちの所有物を勝手に奪っていったのだから問題ないわよね」
そう、私は久々に血が騒いでいる。
人間だが、家族を奪われたことに、ナザリックの母と呼ばれる私が怒りを露わにしたのだ。
だから恐らく彼らは突発的に跪いたのだろう。