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【オーバーロード】慈愛の堕天使は王の秘書

第21章 女としての痛み



ーデミウルゴスsideー


涙を流しながら部屋を退室されたレミエル様に心を痛めながらもアインズ様はお話を続けられた。
そして私の我儘を聞き入れていただき、出かける前にレミエル様の部屋へ無礼を承知で踏み入れると、呻き涙を流す愛おしき方に触れると薄く瞳を開けた。

「ゆっくりお眠りください。今貴女を脅かすものは何一つ御座いません。私がお守り致しますから、安心してお眠り下さい」


ふっと肩から力が抜けて安心したように微笑んで再び瞳を閉じたいと高き御方。


「デミウルゴス」

「レミエル様を頼むよ、ジャック」

「わかっている」


私の用事を終えるとジャックから伝言が来た。レミエル様が御一人で空にいる、と。
それを聞いて直ぐに居場所を探し出すと悲し気なお背中を見つけた。

そして、かの至高の42人の一人とは思えないほど弱弱しくなられている愛おしき御方を私は無意識に、抱きしめていた。

無礼を承知していたが、レミエル様から強く抱擁するご許可を戴いた。
私より小さな御身体は少しだけ震えており、私の胸にお顔を寄せ、翼の力も抜き、全てを私に委ねた。


「貴方を好きになったら、私は脆くなりそうだわ」

「戯言だとしてもそのように言っていただけてとても嬉しく思います」

「戯言なんかじゃないわ。貴方を男性と愛したら…私はきっと」


これ以上愛しき御方からそのようなお言葉を聞いたら私は気持ちを留めることが厳しくなると自覚し、お言葉を遮った。


「おやめくださいっ!…それ以上聞いてしまったら私はこの気持ちを抑えられなくなってしまいます」

「それ…!ほんと…」

「貴女に嘘をつくことなどありません」

「!…もし、私がそれを、受け入れると言ったら…デミウルゴスも私を受け入れてくれるの…?」


そんなの当たり前です。私がどれだけ、この気持ちを自覚してどれ程貴女の隣にいようとしたことか・・・。そして傍にいることをお許し下さる度、貴女が私に微笑みかけてくれるだけでどれだけ満ち足りたか・・・!
けれど、従者として、いと高き御方の伴侶を望むなど・・・!


「ごめんなさい、困らせたわね。ありがとうもういいわ。帰るわ」


悲しいお顔をさせてしまったっ・・・!引き止めたい、けれど・・・!


ーデミウルゴスside終ー
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