第21章 女としての痛み
「すまない。私は過去のお前を知っていたのに、そこまで考えが及んでいなった。そうだよな、女性であるお前がセバスが言っていた状況を目撃したのなら心身にダメージがあるのは必然。それは私の配慮が足りなかった。本当にすまない」
首を横に振るけれどアインズはずっと申し訳なさそうに私の髪を撫でてくれたお陰で震えは止まったけど、涙はもっと溢れてしまうばかり…。
「ごめ、、私、ここにいると、話進められない、から、部屋、戻る、ね。落ち着いたら、、あとで、伝言するから、教えて」
逃げるように応接室を飛び出して、自分の部屋に飛び込んでベッドにダイブした。
「グスン、最悪、みんなの前でこんな、みっともないとこ…もうやだ…」
ここに来てしばらく経つのにもう人間だった時の気持ちなんて忘れていたのに、どうしてこんな時に・・・
いいや、寝て忘れよう、起きたらちゃんとレミエルに戻ろう。
そう考えて瞳を閉じてすぐに眠りについた。
息苦しい・・・夢・・・覚えていないのに・・・
・・・苦しいよ・・・
・・・・・温かい・・・?
誰かが私に触れている・・・
優しい手つきで、髪を撫でているのは、、、誰・・・?
夢現で薄く瞳を開けるとぼやけながらも誰かの姿が見えた
「ゆっくりお眠りください、今は貴女様が怯えるもの等何一つ御座いません。私がお守り致しますから、安心してお眠りください」
「・・・ん」
誰かにそう言われて、私はゆっくりまた瞳を閉じて、今度は悪夢を見ることなく、眠りにつけた。
目が覚めたら、ベッドに腰かけるジャックの姿が視界に入った。
「お目覚めになりましたか」
「どのくらい眠っていた?」
「五時間ほどです」
「そう…悪いけど少し一人にしてくれる、空に行ってくるわ。ついてくることは絶対許さないわ」
「!、畏まりました。お気をつけて」
ジャックはバルコニーの窓を開いて、私がすぐに出られるようにして、礼をして送り出してくれた。
「わがままを聞いてくれてありがとう、行ってくる」
白黒のグラデージョンの翼を大きく広げて空へ舞い上がった。
・
・
・
屋敷のバルコニーにいるジャックはメッセージである人物に連絡をした。
「空にあの御方がいる、俺は釘を刺されたから頼むデミウルゴス」
「わかったよ」