第20章 戦闘、そして王の鉄槌
緊張感の漂う応接室ではアインズによるセバスへの尋問がまだ続いている。
「それは私の命令を無視した行為だと思わないか?」
「はっ、私の浅慮がアインズ様の不快を招いたこと深く反省し、二度と起こらないよう十分な注意を」
「よい」
「は…?」
「よいと言ったのだ。失態は誰にでもある。セバス、私はお前のつまらない失態を許そう」
「アインズ様、感謝致します」
「しかし、だ。失態は償わなければならない。・・・殺せ」
「「!!!」」
私は確信してしまった・・・。私はツアレに同情し、あの子を大切に思い始めてしまっていたことに。
今、アインズがツアレを殺せと言わなければ気づかず、人間の世界に返せたのに・・・。
「セバス!お前は至高の42人に従う犬か?はたまた己の意思を正しいとするものか?」
「それ、」
「答える必要はない!!結果でそれを私に見せろ」
ツアレが私の方を見て微笑んでから、セバスにも微笑みかけて瞳を閉じた。あの子は覚悟を決めたのだ。ならば見送ろう。
セバスも拳を構え、ツアレの頭部目掛けて突き刺さした。が、それはコキュートスによって止められた。
「何を!?」
「セバス下がれ!」
「はっ」
「コキュートス、先のものは確実にその女を死に至らしめるだったか?」
「間違イゴザイマセン」
「ならばこれをもってセバスの忠誠に嘘偽りなしと判断する。ご苦労だった、セバス」
「はっ」
「レミエル、発言を許可する。次の話に移る」
次の話ではセバスや私たちの行動で十分な情報が集まったと判断し、屋敷を引き払い、ナザリックへ帰還を命じられた。
ツアレの処分は保留とされ、アインズは一度ナザリックへ帰還した。
「ぅ…」
「彼女は疲労している様子、少し部屋で休ませようと思います。私が連れて行きますがもはや問題はありませんよねデミウルゴス様」
「そうだね」
「待って」
立ち上がりツアレの前に行くと少しだけ怯えられたけど、いつもみたいに微笑んでくれた。
「人間じゃなくて驚いたでしょう。これが私の本当の姿。でも私が貴女に与えた愛は嘘ではないわ。セバス連れて行って」
「はっ」
再び椅子に腰かけるとデミウルゴスが私に質問を投げかけた。
「レミエル様、何故あのような事を仰ったのか伺っても宜しいでしょうか?」