第20章 戦闘、そして王の鉄槌
裏からアングラウス、クライム、正面から私とセバスという形で突入することに。
「では行きましょう」
「一応聞くけれど、出来る限り捕虜とするけど抵抗があれば容赦なく殺すわ。問題ないわね?」
「こちらは人数が少ないのである程度は仕方ないですが、八本指の幹部らしき人物がいれば何卒捕縛をお願いします」
「わかったわ。けれど二人だけ…へーウィッシュとサキュロントは私の手で殺す」
「「「!!!!」」」
「お嬢様、殺気をお鎮めください」
あまりにも今朝の出来事を思いだすと苛立ち、殺気をしまい忘れていた。
「あらごめんなさい。あのデブと不気味な奴がここにいると思うと抑えられなくて。けどサキュロントは殺すわけにはいかないのよねぇ。
でも私と私の可愛い妹を奴隷にすると言ったんだもの、半殺しくらいは許されるわよねぇ?」
「は、はい」
行動開始、正面の扉をセバスが破壊し中へ突入。殆どセバスが倒している。本当は私が全部片づけたいのに…。
けれど私の標的を見つけた。
「ふふふ、みーつけた」
「殴るのがお好きなのですね」
「汚い男…殺したいけれど何故裸体なのかしら。本当見たくも触りたくないほど不細工、まるでゴミね」
「ではお嬢様私が処分しましょう」
「あら、嬉しいわ」
セバスのあのデブを殺させ、殴られていた女の子に近づいて抱きしめた。
同じ女で、もしリアルでこうなっていたことを考えると恐ろしく思う…。
「痛かったわよね…今治してあげる。堕天使の甦生~天使の息吹~」
天使化スキルを使って女性を元の、前の健康な状態へ回復すると安心したように眠りについた。
「宜しいのですか」
「…もし、私が人間で、この娘の風になっていたと思うと恐ろしいわ。今ならあの子、ツアレの気持ちがわかるわ」
「…そうですか」
「予定変更よ。貴方はあの方々を補佐なさい。私はここに捕らわれている女性たちを全員治します」
「かしこまりました」
サーチを使ってゲートで彼女らの前に現れると驚かれたが、私は蹴られ殴られ歯が欠け、首に絞められた跡を見て…なんとも言えない悲しい気持ちが心に芽生えた。
「もう大丈夫よ。~エリアヒール~。いいですか、今起きた出来事は誰にも話してはいけません、話すとその魔法は解けてしまうわ」
女性たちは約束し、私は正面出入口で待機した。