第19章 新たな出会い
やっとお出ましの暗殺者は五人。これならセバスに任せても大丈夫かしら。
「彼らは何者ですか?」
「毒物…クライム君注意しろ、暗殺者だ」
撤退しろと言ったのにクラウスは剣を抜いた。同じく、アングラウスも。
「セバス、早々に片づけなさい」
「畏まりました」
前にセバス、後ろにアングラウスとクライムと私を守るように戦闘態勢に入った途端、私に向かって短剣を投げたがセバスが私に当てるわけがない。
「お嬢様に剣を向けた事、後悔なさい」
「凄いですね…」
「ああ…セバス様こそ王国最強と言われても俺は納得するぞ」
「ストロノーフ様よりもですか」
「俺と二人掛かりでも勝算はないだろう」
どんなに頑張っても人間がセバスに勝つなんて無理よ。アダマンタイトが100人でもいればほんの少しは手応えくらいあるでしょうって感じかな。
クライム、アングラウスの戦闘も終わり、セバスにスキルの使用を頼んだ。
「何をされたのですか…」
「傀儡将というスキルよ。セバス、尋問なさい」
そして思っていた通り今朝の下等種族とこいつら暗殺者は八本指であった。そして不気味な男、サキュロントは六腕というアダマンタイト級の暗殺者らしい。
「それで、セバス様とローズガーデン様はどうされるのですか」
「とりあえず問題原の拠点を潰してきます。サキュロントもそこにいるでしょうから」
「お二人はこの暗殺者たちを詰所まで運んでいただけないかしら?」
「待ってくれ!私も協力させてもらえないでしょうか!」
「私もお願いします!」
クライム…貴方の弱さでは足手まといにしかならないのに…
「はぁ…セバス、貴方が判断なさい」
「アングラウス君は大丈夫だと思いますが、貴方には少々危険化もしれませんよ」
「危ないからと目を瞑っていては主人に仕える価値のない男だと証明してしまいます」
「…覚悟はしているんですね?」
頷くクライムにセバスは連れていく判断をした。
「失礼ですがローズガーデン様こそ大丈夫なのですか?」
「あら、私の心配をしてくれるの?けれど問題ないわ。セバスよりは強いもの」
「はい、私など手も足も出ない御方です」
「ははっ、それは頼もしいですね」
そして私たちは聞き出した場所へと向かった。