第19章 新たな出会い
「貴方は一体?」
オーラを柔らかくしたセバスにやっと青年は声を発することが出来たようで、自己紹介をし。
「私はクライムといいます。この国の兵士です。本来私がやらなければいけない仕事を代わりにやっていただきありがとうございました」
「いえ、主人の命に従ったのみ。礼には及びません。では」
セバスと供にその場を去ろうとしたが、青年に寄って引き留められた。
「おこがましいお願いなのですが、先程の技を伝授していただけないでしょうか!」
セバスがどうするか答えを私に仰ごうとしたが私はただ笑うだけにした。
「…どういうことでしょうか」
「私はより強くなるよう研鑽を積んでいるのですが、貴方の素晴らしい動きを見てその技術を少しでも教えてもらえればと思ってお願いしています」
「…お嬢様」
「セバスの好きになさい。どうせまだ帰る事はできないのだから」
「…かしこまりました。では両手を見せていただけますか」
そこからセバスは自分の意思でクライムとかいう青年に試練を受けさせていた。それも死の恐怖を克服させる、生きるか死ぬかの試練。
けれど彼は見事生き延びた。
「ふふ、セバスの殺気に耐えるなんて大したものね。セバスの主、レミィ・ローズガーデンよ」
「お嬢様も貴方をお気に召したようですよ。ではもう一度」
「待ってくれ!!!」
第三者からの静止の声で、その方を向いたら青い髪の男性がいた。
恐らくつけていた者ではないようだ。
「まず私はブレイン・アングラウスと言います。お三方の邪魔をしてしまったこと重ねてお詫びさせて下さい」
「お名前は王国剣士長と互角の戦いをした戦士と聞いています」
「それで?どの様なご用件ですか?」
ブレインと名乗った男はクライムに何故あの殺気を耐えれたのかを聞いていたが、私には周りの者達が動いたのを感じ取って黙っていたらクライムに話かけられた。
「ローズガーデン様も私の事はクライムとお呼びください」
「私もブレインとお呼びください」
「わかったわ。ではクライム、ブレイン、早々にここから立ち去る事をオススメするわ」
「そうですね、お客様がいらっしゃったようです」