第18章 セバスの裏切り…?
二人の人間が屋敷から消え、私は抑えていた怒りを露わにした。
「人間の分際でよくも私とソリュシャンを奴隷にしようと…!しかも金銭を搾り取ろうとしてくれたわね…。いらっしゃいソリュシャン」
アサシンのクラススキルで影に隠れていたソリュシャンを呼び出し、セバスとジャックの四人で話を始めた。
「とりあえず貴方の持ち込んだ問題なのだから貴方の意見を聞きましょうかセバス」
「・・・」
「…あの人間を渡して終わりにしますか?」
「それで問題が解決するとは思えません。あれは弱みを見せたら骨の髄までしゃぶろうとするでしょう。ツアレを渡して問題解決に繋がるとは到底思えません」
「では貴方はどうするつもりなの」
「…少し、考えて参ります」
そういってセバスは外へ出て行ってしまった。これは私から逃げたという事かしら?
「はぁぁ…追い詰める気はなかったんだけどなぁ…。私はセバスを追うわ。あぁ、私を怒らせたあの人間には痛い目にあってもらいましょうか、ジャック」
「承知致しました。もし八本指と繋がっていた場合は如何いたしましょう」
「全拠点を調べ上げ報告なさい」
「畏まりました」
セバスの傍の、人通りの少ない所にゲートを開き、伝言でセバスを呼び出した。
「突然の退室、そしてお待たせし申し訳ありません」
「いいのよ、少し歩きましょうか」
「…はい」
改めてこの街を散策することになった。そこで…。
「暴力沙汰か…全く不愉快ね……セバス」
「はっ」
少し離れた所で騒ぎがあり、見ると暴力事件のようでセバスに制裁を頼んだ。お嬢様が素早く走るなんてことできないからね
「ご苦労様セバス、とても的確な行動でしたよ」
「執事足るもの当然のことをしたまでです」
「そう、さぁ行きましょ」
周りに後の事は任せ私とセバスは帰宅、ではなく、後をつけてきている者の対応をする為裏道に入り、薄暗い方へと進み、セバスに片づけさせようと指示を出そうとしたところで青年の声でそれは阻止された。
「すみません」
「何か御用ですか?」
青年の顔は振り返った私たちの顔を見ると強張り、口を開けているのに言葉がでないようだった。
恐らくセバスのオーラに圧倒され、恐れたのだろうと考え私はセバスに微笑んで対応するよう訴えた。