第18章 セバスの裏切り…?
ツアレが来てすぐ、厄介事は屋敷へとやって来た。応接室でのんびりしていたのに…
あの人間、ツアレのことで役人がやってきてその対応をしなければいけなくなった。
セバスが案内し、部屋に入ってきたのは小太りの男と不気味な薄い笑みを浮かべた男。
小太りの奴は私たちを見るや否や表情を緩め、顔や胸をジロジロと見つめ、その瞳の奥には肉欲が伺えた為、睨みつけた。
そのせいか、後ろの付き人は表情が引き締まった。恐らくこの人間が纏っている雰囲気は暗殺者だろう。物凄く弱いがジャックとオーラが似ているところがある。
まぁ恐れるにたらず。あの程度なら3人に任せても平気でしょうけど一応警戒はしておきましょうか。
「ある店から報告がありましてね。ある人物が店の従業員を連れ出したと。その際に不当な金銭を別の従業員に渡したと聞きましてね。この国では法律で金銭での人身売買は禁ずるのだが、ある者はまるでそれに違反しているようではないかね?」
「そう」
くだらない…。が、話を聞くためソリュシャンと顔を見合わせてソリュシャンはセバスに任せてその場を去った。
「そうですか。面倒なことはセバスに任せています、セバスあとはよろしく。では御機嫌よう」
満面の笑みを浮かべ退席したソリュシャン。私とセバスで話の内容を全て聞いた。が、穴埋めの為、私かソリュを貸せと言われ大人しくすることは出来なくなった…。
「勝手に話を進めないでくださいな。その男の証言とうちのセバスの証言が異なっているわ。確かにラナー王女のお優しい志でこの法が出来、それに反する行いを執事がしたことは謝罪し違反金は確定したならばお支払いいたしましょう。
けれどいくら役人だからと嘘をつかない確証なんてどこにもないわ。そして全ての証言、状況、それらが揃っていないのにそれを鵜呑みにするほど私は馬鹿ではないの」
「では明後日その者の証言を揃え、その結果どうされるか聞きに来るというのは」
「いいでしょう。次に来るときは汚いお頭がもう少しましになっているといいですわね」
「「なっ!」」
「セバス!ジャック!お客様のお帰りです!」
話を終えてさっさとその者たちを屋敷から追い返した。