第14章 いざリエスティーゼ王国へ
散々歩き回ってたくさんの男に声をかけられ、ジャックも女に声をかけられ…時間が過ぎ、疲れてカフェに。
「流石に疲れるわね…」
「ええ、全くもって同感です…そもそもお嬢様は魅了を使わずとも人の目を引く容姿をさせているのにこのようなことをするからいけないんですよ」
「あら、主人に楯突くのかしら」
「いいえ、いつもの小言とお思いください」
「はいはい」
役者って大変だわ…楽しいけどボロが出そう。ジャックはボロが出なさそう、だって元々私に仕えてるものだし…
なんて考えてる私の横目に人影が映り、そちらを向くと…
「麗しいお嬢さん、よかったら同席しても?」
「ごめんなさい、見ず知らずの方と席を共にする気はないの」
「おっと、これは失礼、あまりにもお美しく声をかけずにいられなかったもので」
金髪の小太りの男が気安く私に話しかけてきたことにジャックは気に入らなかったのか、私の手を引いて背に隠した。
「どなたか存じ上げませんかお嬢様はお疲れなので失礼致します」
「あっ、ちょっと!?」
私まだ紅茶飲んでないのに!
外に出てもまだ私の手を離さないジャックに声を荒げた。
「離しなさいジャック!!」
「!!、大変失礼致しました」
「貴方らしくない対応ね、何か嫌な感じでもした?」
「あんな不細工お嬢様に近づけるなど!お嬢様は天使です!女神です!あのような豚を近寄らせるなど言語道断!」
「…あははっ、なにそれ本音じゃない」
確かにお世辞にもカッコいいとは言えない見た目だったけど、まさかそこまで嫌だったとは。
「はー可笑しい、でもせっかくのお茶を飲み損ねたわ。どこか別の良いところはあったかしら?」
「もちろんです。覚えておりますよ、今度は静かに過ごしたいので魅了を解除していただけると」
「そうね、お店に入る前に解除するわ」
そしてもう一件カフェに入って今度こそのんびり過ごした。もちろん魅了を解除してね。
しばらく街で聞いた話などをジャックと考察したりしていたら、夕方までその場で時間を過ごしてしまった。
「あら、もう日が落ちはじめてしまったわ、長居しすぎてしまったようね、ジャック、お代を払ったらレストランへ行くわよ」
「畏まりました、ではお待ちくださいませ、馬車の手配をして参ります」
「お願いね」