第2章 終わりの始まり
静かになった玉座の間にモモンガさんの溜息だけが聞こえた。
「ありがとうございますレミエルさん、助かりました。それにしても冷静ですね」
「そりゃビックリしてますけど私は貴方の秘書ですよ?それに常に冷静さを忘れるなと教えたのは貴方じゃないですか」
「そ、そうでしたね」
「とりあえず私も何が起こってるのか調査してきます。外には出ないのでご安心を。一時間後に私も行きますね」
傍に控えていた守護者統括のアルベドに声をかけた。
「アルベド、モモンガさんの補佐をお願いします」
「かしこまりました」
転移を使い第九階層へ向かうと、そこには私の作ったNPCが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、我が創造主にして至高の御方、レミエル嬢」
「ジャック、息災でしたか」
「ええ、貴女様は最後までここにお残りでしたので寂しくはありませんでした」
「そう」
第九階層ロイヤルスイートは円卓の間、応接室、客間、他にもギルドメンバーや階層守護者、メイドたちの部屋、大浴場、食堂と皆の休息の場である。ここの守護者がジャック。
まぁユグドラシルでは使えない施設だったからここにジャックが配属されたんだよね。
「何か変わったことは?」
「何もございませんが、先程ソリュシャンからご報告は受けれおります」
「ああ、その件に関しては後程モモンガさんのから話があるからその時に」
「かしこまりました」
「一旦部屋へ戻るわ、ジャックは時間になったら第六階層へ」
「はっ」
自分の部屋に行くとそこはユグドラシルの時と何も変わらず、白と黒を基調とした豪華なスイートルームのまま。
確認のため、部屋でスキルが使えるか、アイテムは使えるかと
実験していたら疲れてしまい、ベッドで横になっていたら寝てしまい…。
「レミエル様。お目覚めのお時間です。それとモモンガ様がお呼びです」
「…寝てしまってたのね、行きましょうかジャック」
転移を使い、第六階層のコロシアムへ。そこには第四、第八階層以外の守護者が揃っていた。
「ごめんなさい、遅れたわ」
「いや、疲れていたのだろう。すまないな、眠りを妨げてしまい。ジャック、ご苦労だった」
「はっ」
「では至高の御方々に忠誠の儀を」
アルベドが仕切り、階層守護者たちが挨拶をした。