第10章 王の出陣、帰還を優雅に待ちましょう
私の準備が完了した頃、アインズが私の部屋へ訪れた。
「行くのね」
「ああ」
「ご武運を。貴方の帰還をナザリック一同お待ちしております」
「ああ…。今は補佐モードではなく…」
「ふっ、アインズ・ウール・ゴウンに敗北の二文字はいらない、必ず勝って帰ってきなさい。そ!れ!に!、それだけ課金アイテムを持っていくんだから負けるなんて許さない」
「ああ!もちろんだ!」
満足げに彼は転移していった。さて、私も皆の場所に行くかな…
「レミエル様!」
「アルベド、コキュートス、デミウルゴス、ジャック、そのままでいいわ。…まだ戦いは始まっていないわね」
「ハイ、現在アインズ様ハ準備二カカッテオリマス」
「そう」
「レミエル様、恐れながら申し上げます」
「なに、デミウルゴス」
「何故お止めにならなかったのでしょう」
「アインズ・ウール・ゴウンに敗北はないからよ」
「理由になっておりません!!!」
「落ち着きなさい。アインズが不利だとわかっていながら私の防御魔法がかかっていないから私に怒りを向けているのでしょう?
確かにアインズは不利でしょう。けどPVPにおいて、どれだけ虚偽の情報を与えられるかで戦闘は左右されるわ。だからアインズが上手くシャルティアを騙せるかで勝敗は決まる。
さて、私への不満があるなら聞きましょうデミウルゴス。コキュートス、アルベドもね」
「不満などっ…!!…大変申し訳ありません、私の失言でした」
「不満ナド御座イマセン」
「レミエル様は私たちの上に君臨してくださるだけで良いのです」
「…始まりますよ」
そして私たちはアインズ対シャルティアの戦いを見つめた…
アインズがクライ・オブ・ザ・バンシーを使ったことでシャルティアの蘇生アイテム消費させたこと、シャルティアのMP、スキルがない時点で私は彼の勝ちを確信し、席を立った。
「レミエル様……?一体どちらへ」
「シャルティア復活の準備に取りかかるわ」
「な、何故現段階で勝敗がわかるのですか!?」
「ふふ、見ていればわかるわ」
そう言って私はジャックを連れて転移を使い宝物殿へ
「パンドラズアクター!」
「はっ!」
「いますぐ金貨5億枚を玉座の間へ運んでちょうだい」
「かしこまりましたっ!」
そして数十分後、アインズは帰還した。