第9章 失念、そして王の決意
アインズの部屋で私たちはとてつもない緊張感を漂わせて、向かいあって着席していた。そして彼が言いたいことがあるのはわかっていた…。
「言いたいことがあるのでしょう?」
「…霊廟へ向かい、ワールドアイテムを取りに行く。強欲と無欲、ヒュギエイアの杯、幾億の刃、山河社稷図を…守護者たちに持たせる」
「…で?」
「……二重も取りに行く……それともう1つ…怒らないで聞いてくれ
私はシャルティアと単騎で戦う、戦闘に至ってお前からの守護は不要だ。そして……お前にはここで王となってほしい」
「!!!!!!…はぁぁぁぁぁ」
「・・・(冷汗」
「言うと思った」
「え」
なんでわかったって顔した、まったく…ワールドアイテムを守護者に持たせるって聞いた時点で確信しただけだっつーの。
貴方の決意はわかった。だけど一つだけ納得がいかない
「なんで死ぬ前提で話をするのかねぇまったく」
「・・・」
「貴方のことだからワガママを言うと思った」
「!!!!!!」
「必ず帰ってきなさい、アインズ・ウール・ゴウン、その名に敗北はあってはなりません」
「っ!!!!!!!!!!…ははっ、ほんと、貴女が俺とここに来てくれてよかった」
「何言ってるんですか」
「ほんとの事ですよ、レミエルさんがここにいなかったら俺はここまで冷静になることができなかったですから」
「私も同じですよ。モモンガさんがいてくれてよかったと思ってる。
だから貴方が私に感謝することないですよ。ここの主は貴方です、貴方がやりたいようにやればいい、けど必ず帰ってくること。
アインズ・ウール・ゴウンが死ぬときはナザリックが破壊された時ですから」
「それは嫌だなぁ、絶対に生きて帰らないといけなくなりましたね」
「当たり前です」
「…それに…見たくないんだ、あいつらが殺し合う姿なんて……さて、ではアルベドとユリを呼び宝物殿へ行くか」
「はいな」
そして私たちはアルベドとユリを呼び出し、霊廟を進み、アインズの作ったNPCパンドラ・ズ・アクターが守護する宝物殿へと向かった。