第8章 そして嵐は突然に…
私の部屋に訪れたデミウルゴスは悲しむことはないと私に言った。だけどそれは今の私にはとても耐えがたい発言だった。
彼のニュアンスは裏切り者の為に嘆くことはない、そう取れるから余計に腹が立ったのと悲しかったとの、感情がゴチャゴチャになる…。だからそのイライラをデミウルゴスにぶつけてしまった。
「恐れながら…」
「そう……至高の42人の一人、ペロロンチーノが作ったシャルティアはいらないと貴方は言うのですね」
「!、けしてそのようなことではっ!」
「いいわ、下がりなさい」
「…はっ」
デミウルゴスを強制的に追い出し、私はベッドに身を投げ……そして一人静かに涙を流した…。
失態だ…上司として八つ当たりなんて………あとでデミウルゴスに伝言を使って謝ろう…。
「レミエル様、調査隊の準備が整いました」
「すぐ行くわ」
天使化してから転移を使って玉座の間に行くとアルベドに驚かれた…まぁそうだよね…。
「レミエル様!?そ、そのお顔は…!」
「大丈夫、少し目を擦ってしまっただけよ。…天使の加護ーエンジェル・プレ・ズィウムー」
アルベド、アウラとその部下たちを魔方陣が包み、光のシャワーとなって弾けた。
「暖かい…これが…レミエル様の魔法…」
「うん、まるでレミエル様に優しく抱きしめられているみたい…」
「この魔法はいかなるマジックアイテム、スキル、攻撃を弾くわ。だけど一度大きな攻撃、第八位階魔法くらい強い攻撃で壊れてしまうわ。だからもし戦闘になり危険だと判断したら即座に撤退なさい」
「「かしこまりました」」
「では行きなさい」
再び自室に戻り、イスへ腰かようとしたけれど部屋には何故かユリが待機していた。
「レミエル様、お疲れでしょう、お風呂の準備ができております」
「あぁユリ……そうね」
そして今日はもう考える事をやめ、ユリに身を任せ、身体を癒しベッドに入った。
「ありがとうユリ…気を使わせて悪いわね」
「とんでもございません。こうしてレミエル様にお仕えし、お世話をできるだけでとても光栄なことです」
「ありがとう……ねぇユリ」
「いかがなさいましたか?」
「眠るまで、私の手を握っていて」
「…かしこまりました」
ユリの手の温かさに何故かまた、涙が流れ、静かに眠りについた…。