第8章 そして嵐は突然に…
ーデミウルゴスsideー
シャルティアが反旗を翻し、レミエル様があらゆる仮定をし、私たちに的確に指示を出した。
そんな主人が今度はとても先程と同じ人物とは思えないほど、儚く弱々しいお声で発した言葉とお顔に驚愕した。
「…これは私の独り言です。私は皆を愛しているわ。誰一人として失うなんて考えたくないっ…!だからどうか…必ず私の元へ無事に帰ってきて」
至高の御方の愛をお伝え戴けただけでも私達守護者にとって至極光栄なこと。それが私達の為に涙までお流しになられるそのお姿に目を離せずにいた。
「守護者皆、レミエル様、アインズ様の元へ必ず帰還をお約束致します」
「っ!ありがとう…、主君らしくない姿を見せましたね、ごめんなさい。…では直ちに行動を!」
「「「「「はっ」」」」」
準備の為にと転移でお部屋に戻られたレミエル様がいなくなった玉座の間には感動と緊張感が漂っていた。
「レミエル様、泣いてたね…」
「う、うん…」
「レミエル様ハ心オ優シキ御仁。我ラ一人一人二慈愛ヲ向ケテ下サッタノダ、ソノオ心二恥ジヌ成果ヲオ見セシナクテハイケナイ」
「そうだね。慈悲深きお言葉を戴けたのですからそれ以上の忠義で返さなくてはいけない。アルベド、指示をくれるかい」
「調査には私とアウラで向かいます。デミウルゴスとジャックは引き続き任務を続行、マーレとコキュートスは第1、第2、第3階層の代理守護を」
「では私は任務に戻る前にレミエル様へご挨拶に行ってきます。」
「ええ、アウラ精鋭部隊を揃えてここへ」
「わかった」
ジャックは先に帰ると転移で任務先へ帰還した為、一人でレミエル様の御部屋に向かった。
コンコン、ガチャ
「っ!デミウルゴス…!どうしたの?」
「私は任務に戻ることになりましたのでご挨拶に。レミエル様、我らの為に貴女様がそこまで悲しまれることはありません」
「何を言っているの…!?シャルティアはナザリックの一員!彼女がここから消えることを私は望まない!!!!!!
お前は私に宝を手放せと言うのか!答えろデミウルゴス!!!!!!」
失態だ。これほどまで怒りを露にされたお姿をお目にかかるのは初めてだ。ですが至高の御方の忠義を裏切ったシャルティアは不要なのです
ーデミウルゴスside終ー