第6章 秘書は王の過保護に憂う
そして私はお茶を楽しみながら昔の事を思い出していた。
「ふふ…」
「とても楽しそうなお顔をされていますね」
「そう?…そうかもね、アルベドは私がナザリックに、アインズ・ウール・ゴウンに来た理由を知ってる?」
「いえ…」
「ペロロンチーノさんとぶくぶく茶釜さんの一目惚れで連れて来られたのよ」
「そうなのですか!?」
「ええ、懐かしい…
この天使の姿が二人ともタイプだったそうよ。ぶくぶく茶釜さんは女性なのだけど、声のお仕事をされていて、私の天使の姿は理想の天使像そのものだったと。ペロロンチーノさんは単純に惚れたって、おかしいわよね。この姿はユグドラシルのものでしかないのに」
「至高のお二方のお話を聞けてとても光栄です。ですが!そんなことはありません!レミエル様のお姿は誰もがその美しさと神々しさを讃え、お声を発すれば凛と優しいお声と海のように広い慈愛で私共を包んでくださいます!老若男女がレミエル様に見惚れてしまうのは当然のことです!」
「褒めすぎよ。最初はそのお誘いを断っていたの。ユグドラシルでアインズ・ウール・ゴウンの名は最強を誇っていた。私は不釣り合いだと思ったわ。私は天使の中でも守護に特化した大天使、そんな私が惚れたから勧誘されたっていうのにがどうもね…」
「そうだったのですか…」
「まぁだからモモンガ、いえ、アインズと一騎討ちをしたの」
「?!」
「そんなに驚くことないわ。私もソロで活動していたけど結構知名度のあるソロプレイヤーだったのよ?」
「で、ですが恐れながらアインズ様は最強の御方…!いくらレミエル様の絶対防御でもっ!」
「知っている?アインズには絶対に勝てないものが1つだけ存在していることを」
「い、いえ…ですがそのようなものが存在するのですか!?」
見せた方が早いかな…?
「特別に見せてあげる、恐らく至高の42人以外誰も知らない私の秘密。さぁ、その姿を示しなさい、至高天の熾天使(セラフ・ジ・エンピリアン)」
コロシアムいっぱいになるほどの大きさのセラフと圧倒的な強さにアルベドの顔にはほんの少しの恐怖の色を見せた。
「こ、これは…ユグドラシルで最強の天使っ…!レ、レミエル様が使役しているなんて…っ!」
「この子が不敗のアインズを負かしたのよ」