第5章 秘書の憂鬱
デミウルゴスと会話を楽しんでいると伝言ーメッセージーがモモンガから届いた。
「レミエルさん、聞こえますか」
「モモンガさん?地上で何か有益な情報でも?」
「それなりの情報は得ることができそうだ。だがその前にお前に頼みたいことがある」
「…聞きましょう」
話はこうだ。襲われていた村に降り立ち、助け、現在亡くなった者達の葬儀が行われており、天使化のレクイエムで弔ってやってくれと・・・。
しかも場所はミラー・オブ・リモート・ビューイングから確認してくれとのこと。
「こんな時にたっちみーさんの受け売り真に受けて!!!ナザリックの状況考えてくれなかしら!?帰ってきたら文句言ってやる!
デミウルゴス!モモンガさんの居場所をミラー・オブ・リモート・ビューイングで確認次第天使化、レクイエムを使います。その間無防備になるので護衛を」
「はっ、承知致しました」
ミラー・オブ・リモート・ビューイングを使ってモモンガさんの居場所を特定し、周囲にある遺体が全て鏡に映るように縮小し、スキル堕天使の甦生・天使の息吹を使用し、真っ白な大天使の姿に変化した。
「憐れな魂よ、迷わぬよう道標を示そう。天国への鎮魂歌ーヘブンズ・レクイエムー」
天使族で歌唱スキルが使うことの出来る限られた技。ユグドラシルでは死霊使い、アンデッドに効果のある魔法でほとんど使うことはないが・・・こんなとこで使うことになるとは・・・
鏡越しのため効果がどれ程あるかわからず、歌い続けて15分。流石にMPが尽き、天使化が解け堕天使に戻り、その場に倒れこんだ。
「レミエル様!!!」
「MP空っぽで、疲れたわ…悪いけど、部屋まで連れて行ってくれないかしら…?」
「はっ、御身に触れることをお許しください」
「許します」
許可を出すとすぐに私を抱きかかえ、部屋へ向かってくれた。途中セバスとすれ違い、温かい飲み物とポーションを持ってくるよう頼んだ。
部屋へ着いて真っ先にベッドへと横たわらせてくれた。
「モモンガ様の命とはいえ、貴女がお倒れになるまで下等種族を弔う必要などありません…!!!!」
あぁ、なんて悲痛な顔をしているのデミウルゴス・・・
そんなに悲しむことないのに、MPだってポーションを飲めばきっと良くなる。ユグドラシルと同じなら・・・だけどね。