第5章 秘書の憂鬱
何故か身体が重く感じて、夢から現実へと引き戻され、目をあけた…。
「おはよう俺の愛しい創造主」
「……」
あぁそうだ、ここは現実じゃないんだった。っていうか。
「退きなさいよ、重いわ」
「つれないなぁ…」
「いいから退け!(ゲシッ」
「いだっ!?」
上に乗っていたジャックを蹴飛ばし、起き上がりベッドから出て着替えを済ませようとジャックを外へ放り出していつもの黒いドレスを身に纏った。
準備を整えていると扉をノックされ、セバスが入って来た。
「おはようセバス、どうしたの?」
「モモンガ様より伝言です………」
伝言の内容はこうだ。村へ行く、そこにアルベドをつれて情報を得てくる、ナザリックのことを頼む。だそうです…
はぁぁぁ…全く、たまに大胆なことするよなぁモモンガさんって。
「わかりました。引き続きそれぞれの任務にあたってください。後程各階層へ視察へ行くと伝えて」
「かしこまりました」
とりあえず玉座の間に転移して、モモンガさんがいない間の事を考えなくちゃ……てか今さらだけど私結構順応してるわ
なんでテンパってないんだろ?……ああ、モモンガさんがいるからか。
「おや?レミエル様、こちらにいらっしゃいましたか」
「あら、デミウルゴス、コキュートス、私に何かご用かしら?」
「警備状況ノゴ報告二参リマシタ」
「どのような現状?」
「現在侵入者ハゼロ、各所警備ヲ強化サセテオリマス」
「ご苦労、引き続き警護にあたりなさい」
「ハッ、オ任セヲ」
「デミウルゴス」
「偵察の結果、近くに小さな村が存在すること、そしてその首都が存在するそうです。そこには下等種族が揃っているので情報収集が可能かと」
「なるほど…その件に関してはモモンガさんが帰ったら検討しましょう、有益な情報です、よくやりましたね。引き続き周辺の情報収集を頼みますよ」
「勿体なきお言葉…!」
こんなことリアルにやってると現実に帰ったとき感覚忘れそう、、まぁ、帰っても待ってる人も彼氏もいないし、、それに比べてここは皆が私の帰りを待っていてくれる…。
帰らなくてもいいかな、なんて思ってしまう…。