第7章 僕だけに見えるもの
「けどね、僕は良いんだ。僕といる時のと、悲鳴嶼くんといる時のアイツは違うから。」
色が違う。見える色が、そもそも向けられている感情が違う。
「僕は大好きで一緒にいると幸せになれるけど、は幸せにならない。だから、良い。」
すると、宇髄くんは盛大に吹き出した。
「あんた、なかなか恋に情熱的なお人だなぁ。」
「そう?君は奥さんが三人もいて大変そうだけど。」
「いや…まあ、霧雨さんは……。」
宇髄くんは少し目を細めた。
「嫁いなかったらどうかわかんなかったかもな。」
「うっわ、サイテーだよこいつ」
「あほ。嫁いる時点で眼中にないっすよ。もしもの話ですよ。」
「あほって言った?ねえ今僕に向かってあほって言わなかった?」
少し深い話をして、僕らは仲良くなった。