第4章 旧水柱は仲良くなれないー永遠ー
氷雨さんがいなくなって、悲鳴嶼さんって人が柱になった。
僕の二倍あるんじゃないかってくらい大きい。…うらやましーねたましー。
「あのさ、悲鳴嶼さん」
任務で何回か一緒になったことがある。
「何で僕のいうこと聞いてくれないのさ!!」
「…叫ぶな。鬼に気づかれる。」
「だあかあらあ!気づかれないの!わかる?逃げられてんの!!僕言ったよね!?右から回れって!!何で突っ走るかなあ!わかんなかったわけ!?あの鬼は目の見えてないテメエと違って視野が広いんだよ!」
とにかく最悪だった。相性も悪くって。
「あのなあ、子供が嫌いとか知らねえの!あと言わせてもらうな!?ちょーっとチビに見えるだけで僕はあんたと二つしかかわんねえっつーの!」
「………南無」
「南無じゃねーよッ!!どーすんだよ逃がした鬼ッ!!!」
はー、と僕はため息をはいた。
「ちっ、またあの人に借りできんじゃん。」
そう言うと、ストン、と軽やかに僕らの間にあの人が降りてきた。
「借りたものなんて記憶していませんが。」
「アーハイハイ。逃がした奴斬ってくれてアリガトー。」
「まあ桜くん、悲鳴嶼くんといるとご機嫌ななめですねぇ…。どうしてですか?」
相変わらずにこにこ笑っている。
「こいつ僕の言うこと聞かないんだよ!言ってやってよ霧雨さん!」
「悲鳴嶼くん、君は最近会ったばかりでわからないと思いますが、桜くんに従うと良いことがあるのですよ。桜くんの作戦や予測は絶対外れませんから。」
「…わかった。」
「ごめん軽く殺意沸いたワ。滝壺打っていい?」
「いけませんよぅ。」
悲鳴嶼さんはまだまだ新米の柱。
…わからないことがあって当然、か。大人だなぁ霧雨さん。