第3章 最悪な出会い
東口…だっけ。
広々とした駅内に、人がごった返している。
家は新宿に近いが、こんな浮ついた街には真白はほぼ用はない。ので、実は新宿に来た回数も片手で足りる。
今まで、高校でできた友達に何度か誘われることもあったが、真白は人混みが嫌いというか、_____人とぶつかるのが嫌だった。
軽く肩が触れ合うだけで眉根をしかめてしまうし、正面からぶつかったものならひとたまりもない。
汚い、とかそういうのではなくて、ただただ真白は感覚が敏感なだけであった。
それを自覚してから、特段人が多い方へ行く気もなくなったし、行く理由もなかったので避けてきたのだが。
こんな形で新宿に来る羽目になるとは。
「どこ…広すぎない…」
歩いてくる人波にびくびくしながら、慎重に進んでいくとやっと出口を見つけた。
この駅は上京した人達に優しくないな…、
迷っているうちに時間は1時を2分ほど過ぎていて、もう来ているのかと周りを見まわす。
「…………」
いや、正直人が多すぎて誰が誰だか分からない。初めてみる人達ばかりだが、ここにいる誰かが自分を脅していると考えると、用心深くなる。
体が強ばり、相手を今か今かと待ち___、
そして、相手はやって来た。