• テキストサイズ

紙一重

第6章 増えていく謎




真白の顔が絶望に染まる。

思い出したくもない男の顔。しかしどんな表情で真白を抱いているのか、嫌でも脳は記憶している。まざまざと感じる色気。処女膜を貫かれるその瞬間______



「はぁ、っ、はっ……ぃや……」
「落ち着いて、真白」



過呼吸になりかける寸前、律が頭を撫でて優しい声色で真白に語りかける。



「大丈夫、大丈夫だよ。今目の前に居るのは俺。」



「なんでしってるの………!!!」



半ばヒステリック気味に叫ぶ。
何故知っているのか。真白の初体験を。
その時律には会っていない、もちろんそんなことがあったという話もしていない。知っているわけが無いのだ。おかしい。



半狂乱になって睨む真白を見ても、律の愛おしそうな目つきは変わらない。むしろ更に慈愛の色は濃くなっているかもしれない。




「知ってるよ。俺は真白の事なーんでも知ってる。」




その瞬間。
少し…律の目に、妖しい光が宿って見えた様な……気がした。いつもの優しい律とは別人。欲望と執着。律はそんなものにまみれているような目はしていない。



「だれ………」
「ひどいなぁ。優しい律お兄ちゃんですよ?いつも通り優しくて甘えさせてくれて……そんなフリして真白を犯したくてしょうがなかった俺。」

/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp