第6章 増えていく謎
おか、す………?
「どういう、こと…?」
「言葉の通り。」
ぐっ、と律の顔が近づいてきて、鼻が触れそうになる。押しのけようと持ち上げた右手は、力なく律の肩に触れるだけで役目を果たさない。
「そんな…ちか…づい……たら、うつっちゃうよ…」
近すぎて焦点が合わない目を逸らし、うつらないようにと懸命に距離を取る。しかし病人の真白にできることは少なく、律はたやすくその距離を元に戻してしまう。
「いいんだよ。これからうつるような事するんだから。」
見えないが、律の手が真白のパジャマのボタンを外している気がする。そのままインナーを胸あたりまでたくしあげられ、寝て熱をもった肌に空気が触れる。冷たくて気持ちいい。
_______あれ、これ…どうなるの?
というか、律は何をしようとしている?朦朧とする頭では理解が追いつかず、ただただ真白はされるがままに体を委ねていた。が、ひょっとしたらこれはまずいんじゃないかという危機感が次第にじわじわとやってきて、律を見る。
「どしたの、真白?」
「りつく……な…んで、わたし…?」
違う。聞きたいことはいっぱいあったのに。真白の口からは不思議とするするこえがでて、なぜ自分なのかと聞く。
「俺には真白以外見えてない。なんで、じゃなくて真白しかありえないんだよ?気づかなかった?」
極上の笑みで律はそう言い、真白の唇を塞いだ。