第6章 増えていく謎
なんかさっきよりも体が熱くて重い気が…?
「りつく、たいおんけい…とって」
「ん?…これ?」
枕元に置いてあった体温計を、律がとってくれる。比較的近くに置いたつもりだったのだが、そんな物をとるのも億劫で、いかにも熱が出ている感じがする。というか節々が痛い。
パジャマのボタンを上から少し外そうとするが、上手く指が噛み合わず外せない。それに気づいた律がすかさず手伝ってくれ、胸元まではいかないが鎖骨までパジャマがはだけた。
「ありがと…」
へにゃりと微笑み、体温計を脇にあてがおうとすると。
「あーもうだめ。我慢できない」
ぎし、という音と共にベッドが大きく揺れ、視界が暗くなる。
何が起きたのか、朦朧とする頭では理解できなくて、ただただ居るはずの律の名前を呼ぶ。
「え……律く、」
不安げに名前を呼ぶ真白の手を取り、律は自分の頬へ導く。真白の手が温かすぎるのか、律のほんのりとした体温を感じてなんだか安心する。
「……そんな安心した顔して。どういう状況だか分かってる?」
目の前の律が、不敵に微笑んだ。
「俺、いま真白を犯そうとしてるんだよ?」