第6章 増えていく謎
しばらくして。
__ん…なん、か…音がする…?
少し意識が浮上して、心地いい眠りが浅くなる。身体は気だるくまだ寝たい気持ちが大きい。ゆっくりと寝返りをうち抱き枕をぎゅっと抱きしめる。
「……つっ、めた!!!」
パッと両目が開く。
額に冷たすぎる刺激を感じ、いやでも覚醒させられた。
「え…なに、?」
「真白、俺だよ」
声がする方へゆっくりと首を傾けると、栗色の髪の毛が見える。真白のベッドの高さまでしゃがんでこちらを見つめるのは……
「りつく、ん?」
「ふふ、そう。ごめんね、起こしちゃった」
額を撫でられると、直接触られた感じがしない。というか、そこからひんやりとした感覚がしてきて、冷えピタを貼ってくれたのだと気づく。優しい律の事だ、きっと真白が寝込んでいるのに気づいてわざわざ買ってきてくれたのだろう。
「ありがとう…」
「いーえ。水も無くなってたから、ポカリ買ってきたよ」
満タンのペットボトルを渡される。
寝ている間に、いつのまにか水を全部飲んでしまったらしい。
「ごめんね…後で、お金払うから…」
「こら。」
頬をきゅっとつままれる。
「そんな事気にしなくていーの。大人しくお世話されてて?」
まったく痛くないように加減してくれている律を見て、自然と笑みがこぼれた真白はもう一度、礼を口にした。