第2章 いつもの通り
翌日。
ウタくんにはあらかじめ体調が悪くて休む旨は伝えておいた。なので、そこは問題ない。
家族も、私なんかにいちいち構ってられないほどの仕事人間なので、家にはほとんど帰ってこない。その点も大丈夫。
問題は、どんな服を着ていくか。
ジャージ?ありえない。
制服?もっとありえない。でも高校はもうばれているのだから問題ないといえば問題ない…のかも。
着て見せる相手も居ないが買ってみた、白いフリルワンピース…
手に取って、我に返る。
「いや、なんで脅されにいくのにデート服なの…」
脅されに行くというのもおかしなはなしだが、実際真白はそういう立場な訳だし、第一浮ついた服を着ていく気分ではない。
結局、無難な白いTシャツにデニム素材の短パンを履き、チェックのカーディガンを羽織った。
結構お気に入りの服なのに、着た瞬間、ああ、行かなきゃ行けないのかと憂鬱な気分になって、そのままどんよりとした足どりで家を出た。
真白の気分に反して、空は綺麗な晴天だった。