第2章 いつもの通り
「ましろ、どうかしたの?」
「顔色悪いね…大丈夫?」
「大丈夫、平気…ちょっと寝不足なの」
その紙を見てから、私は震える気持ちで授業をこなした。
怖い、泣きたいのに誰にも言えず、心配してくれる友達にも嘘をつくしかない始末。
なんであの時…と考えても過去は変えられない。
真白は1人であの黒歴史を背負って生きていこうと思っていた。のに。
(だれ…本当にだれなの…?なんで知ってるの…?もしかして、もう皆にはバレてるの…!?)
どんどん疑心暗鬼になっていく自分を止められない。
気づけば過呼吸になりかけていて、先生に許可をとりトイレに駆け込む。まだ誰にも過呼吸だとは気づかれていないはずだ。
「はぁっ、はあ、はぁ、っ…」
胸をおさえ呼吸を落ち着かせる。涙が零れてとめどなく溢れる。身体の震えも止まらなくて、ぎゅっと自分を抱きしめて言い聞かせる。
(だいじょうぶ、だいじょうぶだから…)
確かあの紙には明日午後1時に新宿駅…と書いてあったはずだ。勿論、その時間は学校で授業がある。
学校を休んでも。
行かなくては行けない。
皆勤賞の真白の頭の中には、明日学校を休み新宿駅に行くという選択肢しか存在しなかった。