第5章 感動の再会?
「すと……れ、す?」
「ああ。」
断言できないと言ったのに、決めつけるかの様な表情で先生は真白を見つめる。
真白はまだその言葉の意味をよく理解できない。なにせ、今まで健康だった真白がいきなりストレスにより頭痛がして、嘔吐したなんて…とてもじゃないが、信じられない。
__な、んで…急に、ストレス?起こるってことは、原因があるはず…
「その顔じゃ、信じてねーな」
「わ、私、元気ですよ!?ストレスなんて、そんな…大袈裟なものじゃ、」
「なんか変わったことはなかったか?」
「…え」
___変わった、こと?
「慣れないことをしたとか、何でもいい。お前の心身に負担がかかるような事は最近なかったか?」
そう言われて、思い起こされるのは1つの記憶。
『あああっ……い"、いっ、た、ぁ"ああ!!』
「___あ」
「あんだろ?それが引き金だ」
「でも、なんで今……!あ…っ、なんていうか、その、数日前なんですよ!それはもう私の中で終わってて…!」
「お前の中では終わってても、体や精神の中では終わってねぇ。気持ちとは別モンなんだよ」
__先生曰く、そこから段々とストレスが積み重なって、今日真白はこうなってしまったらしい。恐らく、ミスばかりした前の授業で気持ちが高ぶってしまったのだろう。
自分のことが分かっていないなんて、恥ずかしい。
___それと。
忘れたと思っていた、いや、忘れたいと思っていた記憶が根底に残っていることに、ただただ真白はショックを受けた。自分が思っているより真白の脳は、触れ合った熱や感覚を鮮明に覚えているらしい。…どうやったら消せるのか。
__いっそ記憶喪失とかになっちゃえばなあ…
真白はどうにもならない現実から目を背けて、現実逃避をする。しかし妄想にふけっても頭痛は止まらない。
真白が深くため息をつく様子を、先生はじっと見つめていた。