第5章 感動の再会?
その授業で、真白は珍しいミスばかりした。
まず、授業前にきちんとマナーモードになっているか確認する動作が、名雲涼也のせいで出来なかった。さらに運悪く、LINEの通知が爆音で鳴り響き、一瞬授業が止まるという迷惑をかけてしまった。先生からは「珍しいな。気をつけろよ」といった言葉を貰い、友人からは心配された。優等生の真白は、こんな失態を犯したことは生まれて初めてだ。
その後も恥ずかしさのせいか、教科書を開くページを間違えていたり、先生に聞かれたことに上手く答えられなかったり。
おそらく、一般人からすればミスと言えるミスではないのかもしれない。だが、真白はこんなにも授業に集中出来なかったことはなく、徐々に顔が青くなっていって、どんどんと思考が暗くなっていく。
__なんでスマホチェックしなかったんだろう…いや、トイレに行く前にしとけば、というかトイレに行かなければ………ああ先生に愛想つかされたかも…もうやだ…
真白にとって教師という存在は大きい。もしその教師に呆れられたとしたら…
「う………っ!!」
何かが逆流してくる感じに、すかさず口に両手を当て抑える。喉元をせり上がってくる吐き気は止まらず、どんどんと強まっていき真白を苛む。次第に頭も痛くなってきて真白はおもわず立ち上がる。
注目を浴びるのもそこそこに真白はすぐにトイレへ駆け込む。