第5章 感動の再会?
それから3日後。
腰の痛みもすっかりとれ、元気に目覚めることができるようになった。友達や先生からも「元気になった!」と言われ、自分でも体調がすこぶる良いことが分かる。
しかし、矢張り下を向いて歩いていると人とぶつかるもので。
「__っ、」
「うわ、」
額に重い衝撃がはしる。
数歩よろめいたところで真白はなんとか踏みとどまり慌てて謝罪を口にしようとする。
相手を見ると、男にしては小柄だが充分真白より背が高い可愛らしい顔立ちの…下級生が居た。
この高校では上履きの色とネクタイ、リボンの色が学年ごとに分けられているので、顔を知らなくても何年かわかる。そして、この高校に真白より下の学年は1つしかないので…相手は1年生。
「っ…あー、いった」
肩をおさえながらうずくまっている。どうやら真白は相手の肩におもいきりぶつかったらしい。
「ご、ごめんなさい…!大丈夫?」
「はぁー、別にだいじょ_」
うずくまったままの後輩に手を差し伸べる。だが相手は真白の顔を凝視したまま動かない。
___え?えっと…、な、なに?
「くっそ最悪…こんなことで………」
「__え?」
彼がなにかを小さく呟く。よく聞こえなかったが、端正な顔立ちを歪めているから…ぶつかった真白への恨み言だろうか。
その表情が一変。
さっきまでの表情とうってかわった可愛らしい笑顔をパッと咲かせる。