第5章 感動の再会?
それから、律は離れた。
真白の心臓はいきなりのことにまだドクドクと波打っていて熱い。
____え、え、なに…?
律はふっと微笑んで、「またね、真白」と言い残し家を出た。
真白はまだ立ち尽くして、おそらく真っ赤な頬に手を当てる。やっぱり熱い。
「いや…なんでもない、うん、なんか…なんでもないんだよ!うん!」
意味のわからないことを呟きながらうろうろと歩き回る。と、ソファにかけられたジャケットを見て、「あ」と声を漏らす。
手にとると、律の匂い。
「今度渡さないと……」
ジャケットを丁寧にたたみ、ソファの上に置く。……だがなんだか気になってしょうがないので自分の部屋にもっていき机の上に置いた。
真白の頬は終始赤くなりっぱなしだった。