第5章 感動の再会?
それから、ウタとずっと一緒に居るようになった。そして必然的に兄である律とも仲良くなって……。
3人で遊んだ時のワクワクした気持ちと、楽しさはいつ思い出しても微笑ましい。
「………ふふ」
「なに真白、にやけてるー!何考えてたの?」
「いや、3人で遊んだ時のこと思い出しちゃって…」
「……そっか。いっぱい遊んだよね、…可愛かったなあ、ちっちゃい真白」
「え!やめてよ、それは忘れてー!」
「ふふ、やーだ」
笑いあっていると、ふと律が思い出したように聞いてくる。
「そういえば、なんでこんなに帰ってくるのはやいの?今日学校だよね?」
「……あ、えっとね…」
__どうしよう、なんて言えばいいんだろう…。
腰が痛い?…いや、それだけで早退させられたとなると絶対心配かけちゃう。原因だって分かってるのに、ちゃんと病院行けとかなったら……
__うん、それは無しだ。
体調が悪い系はやめよう。
うーん、ここは良心が痛むけど、嘘ついちゃうしかないか…ごめん、律くん!
「今日、修学旅行の説明会だったから、話聞くだけで終わっちゃったんだよね」
「ああ、そうなんだ。そういう時もあるよね」
__あぶないあぶない!
「あ、俺、父さんたちに挨拶してない」
「え、そうなの!?」
「うん、家に荷物置いてってすぐ真白んち来たから」
「じゃあ今日はもう家族で過ごして!せっかく帰ってきたんだから!」
「ふふ、そうだね、ありがとう。……あ、これ、まだ俺持っててもいい?」
そういって、律は手に握った鍵を見せる。
「あ、うちの合鍵?いいよ!むしろ、持ってて欲しい!」
「うん、わかった」
「こちらこそ、シチューありがと…っ、て、え?」
突然律が身を屈め、真白の顔に顔を近づけてくる。もう少しで鼻が触れてしまう距離でとまって、律の手が肩に置かれる。ワイシャツの襟を少し掴まれ、至近距離で目が合って__。