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紙一重

第5章 感動の再会?


「そう!覚えててくれたんだ、嬉しいな」
「え、な、んで、りつく、ここに……」
「ふふっ、とりあえず、こっちきて真白」



ドアを開けた状態で固まる真白の腕を引っ張って、無駄に大きいソファの上に座らせる。彼もその隣に座って、絶えず笑顔を見せてくれる。



__あ、律くんの匂いだ…



至近距離にいる律の、久しぶりに嗅ぐ匂いは最後にあった頃と変わっておらず、落ち着く。



「いきなり来てごめんね。…俺と会いたくなかった?」
「そんなわけない!」



さっきまで喉につっかえて出なかった声が、反射的に否定を告げる。まっすぐ目を見てそう言うと、律は嬉しそうに、また笑った。




真白が律と初めて会ったのは、もう覚えていないほど昔。幼いときから、遊ぶ時にはいつも律くんがいて、ウタくんがいて。そうやって仲良く過ごしていた。
だけど、真白とウタは同い年なのに対して、律は5歳年上。幼い時の5歳差は大きいもので、いつのまにか成長してしまった律は、中学を卒業してから一人暮らしを始め、高校に通った。屈託なく笑い、優しく接してくれる律が大好きで、真白はずっと律の後を追いかけていた記憶がある。



「…ほんとに久しぶりだね。最後に会ったの、何年前かな?」
「えっと…、6年ぶりかな、多分」



言葉にしてみると、思ったよりも長い。真白の中の律は中3で止まっているため、今の”大人”な律は別人みたいで、なんだか緊張してしまう。



_あ、敬語、使った方がいいのかな…



「6年かぁ…、俺も年とったなぁ。でも気にしないでね、真白。今まで通り律くんって呼んで、敬語なんか使わないで」



切なそうに懇願する律は、心の底からそう思っているようで、安心させてあげたいと思ってしまう。真白は律の手を握って、笑って言った。



「うん、律くん!」

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