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紙一重

第4章 微かな違和感



____カ…ーン、コーン……



聞き慣れたチャイムに目を覚ます。
眠い目を擦りながら天井を見上げると、保健室で寝ていたことを思い出す。随分よく寝ていた気がする。

寝起き特有の微睡みが真白を襲うが、これ以上授業を休みたくないので渋々起き上がる。腰はまだ少しだけ痛い。おさまりそうにないので、何日か経つまで待つしかないだろう。

とりあえず立ち上がってベッド脇に揃えた上履きに足を差し入れる。先生は居るだろうか。保健室にはかすかに空気清浄機の音がして、それ以外は無音。



「いない…かな、……先生」



カーテンをあけ見回しても、誰もいない。



__次の授業、なんだっけ?



壁にかけられた時計を見て、え、と声が漏れる。



__3時間目始まってる!!!



1時間分授業を休んで寝るつもりが、2時間も寝ていた。というか、授業1時間分が50分なので、休み時間も合わせて正確には120、130分くらいか。



「寝すぎだよ……夜眠れなくなっちゃう…」



至って健康的な生活を送っている真白は、ほぼ昼寝なんてしない。まあ今の時間は昼と言うより朝というかなんというか。

失礼しました、と一応声をかけて保健室をでる。教室に行こうと、階段を駆け上がった。

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