第4章 微かな違和感
保健室のドアの前。
なんとなく開けずらいな、と思いつつ窪みに手をかける。
「失礼します…」
ガラガラ、と軽い音を立ててドアはスライドしていく。なんだか薬品のような匂いが鼻にツン、として思わず眉根をしかめた。
こんなとこに立ってないで、入った方がいいよね…
未知の領域に恐る恐る踏み出して、ドアを後ろ手で閉める。初めて保健室に入った感想は、白い、というものだった。
薄ピンクのカーテンで仕切られたベッド。ほんのり暖房が聞いていて空調の設定もバッチリ。それと、保健室に欠かせない白衣の先生。
…いや、その白衣の先生がいないな…
進んで、保健室を見渡してもどこにもいない。
職員室かなぁ…、こういう時、どうすればいいんだろ…
「なぁ」
____!!!!
驚いて、声がした方を振り向く。シャ、とカーテンが開いて、中から男の人が出てくる。
び、ビックリした……というか、だれ?
顔立ちがすごく綺麗…
モデルかと思うほどに整った顔立ち。おまけに高身長で、寝ていたのか少し崩れている髪型もカジュアルな雰囲気で良く似合う。私服、と思われるシャツとドラマでしか見たことがない医者が着ているような青いズボン。脇からベッドの上に置かれていた白衣を手に取って、気だるげに羽織る。その様子を黙って見ていたら、面倒くさそうにもう一度話しかけられた。