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紙一重

第3章 最悪な出会い




「ど、どうすればいいの…」



ワイシャツで隠れるかな…隠れなかったらどうしよう、あ、絆創膏!!…でも鎖骨がでこぼこしてるからすぐとれちゃいそうだし…



「あああ!もう!!」



次第にイラついてきて、怒りの矛先はさっきの男へと向かう。



そうだよ、あの人!あの人がつけなければ…というか、私を襲わなければ…



暗く澱んでいく思考に、自分もまだ処女を失った現実をうけいれていないことを悟る。できれば触れておきたくない。そんな心の傷に何重にも蓋をして、重石をつけて見ないふりをした。



「シャワー浴びよう…」



本当に、今日は最悪な1日だった。
脅されて、のこのこ行ったら連れてかれて、起きたら知らないとこで、知らない男の人に犯されて…

帰りの電車も憂鬱だった。
なんだか感覚がいつにもまして敏感になっていたようで、人の気配だとか触れる感触を、ずっと口に手を当てて我慢していた。身体も痛かったし、もうなにからなにまで最悪だ。


しばらく温かいシャワーを浴びてから、なんだかどうでもいい気分になって、ご飯も食べないままベッドに沈んだ。




___習慣は時に残酷で、目覚ましもセットしていないのに真白は朝7時きっかりに目を覚ました。

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