第3章 最悪な出会い
___それにしても、
なんか…なんか、変な感じがする。
部屋をゆっくりと見回す。見たことがないのに、見たことがあるような…既視感のような、なんともいえない感覚。立ち上がって小さな本棚の前でしゃがむ。部屋の隅に置かれた小さな本棚は、真白の膝ぐらいしかない。興味本意でどんな本があるのか眺めてみる。
「…ホストの極意、人に信用されるには…不倫の、真意???」
一貫性がなさすぎる本たちに、はてなマークがとめどなくわいてくる。このラインナップはなんなんだ?どういうことかまったくわからない…
これ以上こんがらがるのは嫌なので、自分を無理やり本棚の前から退かす。このままでは本棚の隅から隅まで漁りそうな自分がいて怖い。
(ホスト…で、不倫をしてるのかな…?いや…でも自動車のことを書いてる本もあったな…)
無意識に考えながら歩いていると、ベッド脇のサイドテーブルに足が当たる。
「いた…っ」
おもいきり足の指をぶつけ、うずくまると頭にドサッと衝撃が落ちてくる。
足元に落ちたのは…本?ノートのような物だった。
「え…なにこれ」