第3章 最悪な出会い
その後は…正直、よく覚えていない。
揺さぶってくる彼に罵詈雑言を叩きつけた気もするし、自分から腰を振って甘い声を出していた気もする。なにもかもあやふや。
ただ、最低な処女喪失をした事実は意識が戻ってからもそこにあって。目元がヒリヒリするから泣きすぎて腫れたんだろうなーとも思う。
どれだけ意識を失っていたのか。
目が覚めてから寝返りをうとうとしても、身体がだるすぎてうごかない。そこら中痛くて疲れてて、相変わらず服を着ていなくて。でも、あの人がかけてくれたのであろう、ブランケットがしっかり真白を包んでいた。手錠も外されている。
___あの人といえば。
上手く働かない頭で、ぼんやりと記憶を辿る。
『も、や…っ、あ、むり、しょ…お、さ、ん、んんっ、あぁ』
『は…、っ、翔じゃねぇ、柊《しゅう》だ、』
『へ…?あ、っ、しゅ、う、しゅうさぁん…っ!』
なんだか、そんな会話をした事はよく覚えてる。なんでだろう。
もう一度寝る気にもなれなくて、ぼんやり壁を見つめていると、じわっと涙がこぼれてきた。
__ああ、処女、なくなっちゃったんだ…
わたし、汚れちゃったのかなぁ…こんなわたしでも、大丈夫?生きていける?……どうしよう…ウタくん……
体の痛みは消えても、心の痛みだけは真白を苛み続けた。