第3章 最悪な出会い
ふわふわした世界で、私と誰かが手を繋いで歩いている。
公園なのか、辺り一面に広がる芝生を、楽しそうに走り回って笑い合っている。
手を強く握りしめられても苦に思わない。それよりも嬉しいという気持ちが強く、私も握り返す。
「ましろちゃん、ずっと一緒に___」
男の子の口は動いているのに、その先は聞こえない。誰だろう。ぼんやり考えて、あ、これは夢かと気づいて_______
「………ん」
身体がだるい。まだ目を開けていたくなくて、身動ぎすると、なにか変な匂いがする。
自分のベッドじゃない…!
は、と目を開けて上半身を起こす。
それと一緒に、申し訳程度にかけられていた黒いブランケットがはらりとめくれる。
なにか楽しい夢を見ていた気がする…
なんだか肌寒くて、腕をさすると、なにか違和感が頭を駆け巡る。
え…私…
「お。起きたか」