第6章 プレゼント(ロブ・ルッチ)
必死の謝罪が通じたのか、微妙な発音によって謝罪の言葉ははっきりと聞こえなかったが許してもらえたようだ。
顎から手を離し、再び何も無かったようにルッチは前を向いた。
クロエは顎を擦りながら「怖ぇ」と一言呟き、やっとワリと真面目な表情で彼の斜め後ろに揃った。
あぁ、これからルッチと平穏に任務をこなしていけるのか、
そんなことを考えながら、この島の中心にある、でっかい建物の中に通される。
ここが今回の本部になるようだ。
奥の部屋に着くと、目の前の椅子に一人の男が座っていた。
こんな護衛任務なんてやりたかねぇなぁ…つか誰だよ、アイツ(←今回護衛する重要人物)
メンドクセ。自分の身くらい自分で守れや。
そう思ってたときだった。
頭に物凄い衝撃が来た。しかも脳天に。
「いっ……!!!」
痛さで思わずしゃがみ込む。ちゃんと頭の天辺に手を添えて。
くすぶっていると、この衝撃を与えたであろう人物の足が見える。
「な、何すんだよ、ルッチ!!」
「お前、思ってることが全部口に出てる。だから止めてやったんだ。感謝しろ」
「だからって~~~っ!!」
「うるさい」
再び頭に衝撃。どうやら同じところを再び攻撃されたらしい。
もう、これは立ち上がれないぞ。