第4章 話させて(トラファルガー・ロー)
「で、用事ってなに?」
「お前、麦わら屋とかかわりがあるらしいな」
ぺラリと出された紙はモンキー・D・ルフィの手配書。
その言動にあぁ、と該当事項が見つかり笑った。
「うん。ナミちゃんとお友達だもん。いっぱい話してるよ」
「…問題はその話の内容だ」
「?」
たまたま知り合った友達と連絡しあってて何が悪いのか。
向こうもでんでん虫を手に入れたらしく割と頻繁に電話しているのだ。
「お前、俺についてなんて話してる?」
「キャプテンのこと?」
何を話したっけなーと考える。
確か前回はベポとお昼寝してたキャプテンが起き上がったら、ベポの抜け毛がめっちゃくちゃ付着してて笑ったこととか。
その前はクルーが騒いでいた横をキャプテンが通ったら、たまたま他のクルーとぶつかり、不覚にも寝不足だった為に受け身を取れずに海に真っ逆さまに落ちた話とか。
「なにか不味いこと言ったかなー?」
「お前が今思ってること全部だ」
額に青筋を立てているキャプテンに頭を思いっきり叩かれる。
容赦ない攻撃に涙を溜めて叩かれた所を押さえる。
「ちょ、マジ痛いっ…」
「お前のせいで近頃俺の変な噂が絶えないんだよ」
だって本当のことじゃん、と反抗的になれば飛んでくる分厚い本。
さすがに危ないからよけたけれど、事態はそう生易しくはないようだ。