第4章 話させて(トラファルガー・ロー)
トラファルガー・ロー
それは我々の海賊団の船長であり、いまや世間を騒がせるルーキー達の一人でもある。
外見的にいえばいいパーツは持っているのだが、しみついた海賊独特のあくどい顔が台無しにさせている。
幼い子供が一目見たものならば泣いて逃げるだろう。
「あ、いたいたー」
とったんとったん、とこちらへ駆け寄ってくるのは真っ白な体毛を持つシロクマのベポ。
愛らしい外見と見た目通りの癒し満載のもふもふの体。
極悪面の船長がいるものの、ベポがいるおかげで±0だ。
「あのね、キャプテンが呼んでるよ」
「げっ」
呼ばれる理由はわからない。
断じて自分は悪いことはしていない。
え、何で怒られる前提かって?
そりゃ・・・・過去があるから。
難癖つけてはいっつも怒るんだあのキャプテンは。
「早く来ないとヨーグルト食べちゃうぞって言ってたよ?」
「今すぐいきまーーーっすっ!!!」
やばいやばい。
あのとっておきのヨーグルトを食われたら(特にキャプテンに)へこむどころか立ち直れない。
ドタドタと女らしかぬ足音をたてて目指すは船長室。
途中でクルーたちと会うがみんな顔をそらす。
それだけ必死の形相をしているんだなと走りながら思った。
なんだか悲しい。
「キャプテンッ!!!」
ばったーーんとワザと音を立ててドアを開けると中にはソファに腰掛けて本を開くキャプテン。
顔をあげてこちらを見る表情はひどく不機嫌そうで、思わずタジタジ。
「やっと来たか」
「ちょ、まだヨーグルト食べてないよねっ!?」
「・・・・」
ちょー真面目で真剣な自分はそれしか頭にない。
キャプテンに詰め寄っていけばお前じゃあるまいし・・・とため息交じりに言われた。