第3章 ※貴方がほしいもの、私がほしいもの※
「ここを弄られると・・・、お前の身体は・・・」
右手でキリカの胸の頂の蕾を、左手で花弁の小さな蕾をそれぞれ捉えた。
「更に蜜を零すのであったな・・・?」
キリカの身体を知り尽くした巧みな性技は更なる快楽をもたらした。
「どうだ・・・?」
「あぁっ!」
最奥まで荒々しく貫かれ、目眩く快楽に意識が飛びそうになる。両腕から力が失せ、がくりと床に倒れ伏すが、構わず黒死牟は激しく責め続けた。
「んぅっ・・・、はあっ・・・」
背後から覆い被さったまま、キリカの首筋や肩口に口付けた。滑らかな肌からは得も言われぬ甘い香りが立ち昇る。
甘くて心地よい、キリカの香り。鼻腔をふわりと掠めるそれは、黒死牟の裡に不思議な充溢感をもたらした。同時に胎内のものがみしりと嵩を増す。
「巌勝様・・・」
キリカが黒死牟の方に視線を向けた。乱れた前髪の隙間から濡れた瞳が覗く。そして荒い吐息混じりに黒死牟を呼んだ。
「・・・、巌勝様・・・」
手を伸ばし、再度、黒死牟を呼ぶ。より切なげな、欲に濡れた声で。訪れる絶頂の予感に身も心も震わせながら。
「キリカ・・・」
呟くように名を呼んだ。どうして欲しいか、手に取るように分かる。
仰向けにさせると、キリカの肩に腕を回した。強く抱き合うと、深い口付けを交わした。
「んっ・・・、ふぅっ・・・」
口付けたまま、黒死牟が律動が再開した。動きは緩やかだが、固い切っ先は哭き所を容赦なく押し上げる。
キリカも両手、両脚を黒死牟の身体に絡ませ、無我夢中で快楽を貪った。穿たれる度に脳裡にちかちかと星が瞬く。
身体中が歓喜に震えているようだ。
「あぁっ・・・、巌勝様っ!」
快楽の大波が全身を駆け抜けていく。あられもない悦びの声を張り上げながら黒死牟の身体にしがみついた。
「くっ・・・、キリカ・・・」
キリカの声に煽られたのだろうか。黒死牟も欲望を解き放った。大量の精を心行くまで胎内に注ぎ込む。
(巌勝様・・・)
奥深くに熱い迸りを受けたキリカの脳裡が白く霞んでいく。