第1章 ※契り※
胎内の最奥に黒死牟を迎え入れたキリカは、あられもない嬌声を迸らせた。
逸楽に充たされていく。だが、まだまだ物足りない。自らも腰を押し付けるように動かして貪欲に貪った。
花弁から溢れた蜜が二人の股ぐらをしとどに濡らす。水音はますます大きくなり、淫猥な楽を奏でた。
「凄いな・・・。何処に・・・、こんなに溜め込んでいたのだ・・・」
揶揄するような囁きも、キリカの耳には届かない。最奥を容赦なく穿たれ、淫らに喘ぎ続けた。
「はぁっ、・・んっ、あっ・・・」
「もっと哭け・・・、キリカ・・・、お前の声を聞くと・・・、私も昂ってくるのだ・・・」
「あ、あっ・・・、ひぁっ・・・」
胎内のものが、ぐぐっと膨れ上がった。キリカを絶頂に追い込むように獰猛に蠢く。
「そうだ・・・、もっと聞かせろ・・・」
「巌勝様っ・・・、私、もぅっ・・・、んぁっ・・・」
「キリカ・・・」
休みなく与えられ続ける凄まじいまでの快楽。身も心も全て呑み込まれてしまいそうだ。キリカは助けを求めるように黒死牟の名を呼んだ。ありったけの力でしがみつき、足を絡ませる。
「あんっ、・・・あ、ああっ・・・」
半ば意識を法悦の淵に沈めたまま、キリカは行為に没頭した。全身で官能を貪る。
「ひぁっ!あっ・・・、んぅっ・・・」
叫ぶように喘いだキリカが、おとがいを反らした。重い突き上げが胎内の欲を一気に弾けさせたのだ。
やがて。キリカの胎内で猛り狂っていた黒死牟のものにも快楽の果てが訪れた。息を詰めると、二度、三度、腰を大きく突きいれた。
「くっ・・・」
短く呻くと、黒死牟も欲を弾けさせた。胎内の奥深くに大量の精を迸らせる。
「巌勝様・・・」
黒死牟のものが胎内で蠕動するのを、キリカは陶然とした面持ちで受け止めていた。のし掛かる身体の重みも、胎内の熱い飛沫も全てが心地よい。
愛おしさが堰を切ったように溢れ出す。
このまま一つに溶けて混じりあってしまいたい。固く抱き締められながら、そう思った。
もう、離れられない。離さない。