第1章 転校生の彼女
彼は2年で隣の隣のクラス…の、鎮目 榛名(しずめ はるな)。
女子みたいで可愛い名前って言ったら怒られた。
「で、こんな感じなんだけど…お前全然仕事できるな。
女子が入って来るって聞いたからどうなるかと思った」
「え?なんで?」
「いや…大体なんか、男目当ての女子ばっかだし。
だから試合の日以外は滅多にこねーよ。
やれ重いだの臭いだのでやりたがらねぇからな」
「あぁ、そうなんだ。転校してきたばっかだから男に目が行かないんだよ。クラスに馴染むのがまずいっぱいいっぱいだしね」
榛名は元々選手だったらしいけど怪我をして続けれなくなったのでマネージャーに転向したらしい。
ポジションはポイントガードだったそうだ。
「ま、それで辞めた女子も多かったんだよね」
「あぁうんモテ自慢はいいよ。ねぇタオルどこ」
「うんお前思ってた以上に冷たいわ。タオルはなー」
別にお前の女子の事情には興味がない。
っていうか私自身彼氏とか居た経験がないからな。
幼馴染が居たせいか無頓着っていうか…まぁ興味がないっていうのが多分、っていうか確実に一番大きい。
「土日は朝9時からで、今日とかは6時まで。んで、普段は6時半とかが基本かな」
「へぇ、時間違うんだ」
「うん。練習はほぼ毎日ってとこだしレギュラーになったら毎日遅くまで残ってるのなんて普通だよ」
「そうなんだー…」
「でも今日は先生方会議だから3時終わりなんだなー」
榛名はいい人だ。聞きたいことを聞く前に教えてくれる。
っていうか、多分こういう人を賢い人って言うんだろう。
「つかさー、お前顔綺麗だよなぁ」
「えっ何可愛いって?知ってる」
「いや可愛いんじゃなくて綺麗だってば」
ちょっと冗談を言っただけなのに。
凄い真面目な顔でそんなこと言われてしまった。